美容業界・健康業界と様々な方面から今、熱い視線を浴びている「ケイ素」。
ブレイク間近のこの「ケイ素」という名前を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか?
そして「そもそもケイ素って何だろう」と不思議に思っている人もいるはず。
ここでは「ケイ素」についての基礎的な知識を5つのポイントにまとめてみました。
1.ケイ素とはそもそも何?
「ケイ素」とは、酸素や水素同様「原子」のひとつ。
原子番号は14番で、酸素(O)や水素(H)のように元素記号では「Si」と記されます。
漢字では「珪素」もしくは「硅素」となりますが、最近では「シリコン」という名前の方が有名かもしれません。
シリコン(silicon)の元素表記を初めて行ったのは「質量保存の法則」で有名な近代科学の父・ラヴォアジエ。
非常に硬い鉱石である「ひうち石」にケイ素が多く含まれるため、ラテン語のこの鉱石を意味する「silicis」をもじって「silicon」と名づけられたと考えられています。
ケイ素は「ひうち石」を初め、鉱物類等に非常に多く含まれる元素なのです。
地球上に存在する原子の量を質量パーセンテージであらわした「クラーク数」によれば、最も多い原子は酸素(クラーク数49.5)であり、その次がなんとケイ素(クラーク数25.8)であるとされています。
地球を構成する非常に重要な原子なんですね。
2.私達の生活で使われる「ケイ素」
「ケイ素」は様々な工業生産物に用いられています。
私達の生活に関わる様々な場に、「ケイ素」を使った商品があるんですよ。
一例を挙げてみましょう。
・カメラのレンズ
・窓ガラス
・テレビ・スマホ等の液晶ディスプレイ(半導体)
・太陽電池
・乾燥剤
またケイ素を二次元酸化・三次元酸化させたシリコーン(シリコン樹脂)は、更に多用な用途で私達の生活に使われています。
・ゴム(ホースやチューブ等)
・ティッシュペーパー
・柔軟剤
・メイク用品(乳液・アイシャドウ・ファンデーション等)
上記のように工業製品制作等の用途として用いられることの多い「ケイ素」ですが、最近では「生命体(人体)」に含まれるケイ素に注目が集まるようになっています。
3.人体にもケイ素があるの?
鉱物やシリコーン樹脂と言った「工業用品」というイメージの多い「ケイ素」ですが、実は人体にも「ケイ素」が含まれています。
<<ケイ素が含まれる部位>>
・皮膚
・骨
・血管
・歯
・爪
・腱・靭帯
・松果体
・胸腺
・毛髪
・細胞壁
・関節など
人体を構成する殆どの場所に「ケイ素」があることがわかりますね。
特に骨周辺、皮膚等の存在率が高い傾向にあります。
ケイ素はコラーゲンやタンパク質と言った人体の構成物質に比べると人体の存在量が微量(29ppm程度)であり、そのため今までは人体への影響力が軽視される傾向にありました。
しかし、最近ではケイ素が人体構成、そして若さや健康という面において非常に重要な物質「コラーゲン」等の生成や補強に深く関わっていることが判明し、その重要性に注目が集まるようになっています。
4.ケイ素が減ると良くないの?
ケイ素は栄養素で言うとミネラルの一種にあたるのですが、ビタミンC等の栄養素と同様、体内で生成することができない成分です。
そして人体がケイ素を蓄積できる力は、20歳頃を頂点として徐々に下がることが判明してきています。
ケイ素の体内の存在量が減ることで、コラーゲンの生成・補強・管理が正常に行われなくなり、これが肌・骨・髪などにおけるいわゆる「エイジング(老化現象)」を起こす一つの原因となると考えられているのです。
最近では骨粗しょう症、動脈硬化等の成人病・生活習慣病との関連性も注視されるようになっています。
5.ケイ素を摂取するにはどうしたらいいの?
最近ではアンチエイジング対策・健康対策として、ケイ素の定期的な摂取が重要であると考えられるようになってきました。
ケイ素を多く含む食品としては以下の様なものが挙げられます。
・キビ(穀類)
・からす麦
・アスパラガス
・青海苔
・ひじき
・わかめ(茎の部分)
・アサリ
しかし、これらの食品類が含むケイ素の含有量はあまり多くない傾向にあります。
人間が必要とするケイ素量を十分に満たすには、例えば多量の海藻類を食べなければならないなど、日々の食事で補いきるのが難しい部分が多いのが現状です。
また現代の食生活では海藻類・キビ等を常食とする習慣が少なくなっており、食事での日常的な補給が難しいとも言われています。
ちなみに海藻類などのミネラル補給を食生活で行われることが少ない欧米では、ミネラルウォーターやサプリメントでのケイ素補給が普及。
食生活の欧米化が進む日本にもこの流れがやってくることは確実と見られています。
【ケイ素を摂取する習慣づくりを意識してみよう】
若々しく元気な体を維持するには、ビタミン類だけでなくケイ素を含むミネラル類の定期的な摂取が大切になります。
白米にキビやからす麦を混ぜた雑穀ごはんを食べてみたり、海藻類が多く摂れる和食を中心にした献立を食べる習慣づくりをしてみるのも良いでしょう。
またそれでも補いきれない部分については、ケイ素を多く含んだミネラルウォーターやサプリメント等での補給を行う習慣を作っていくのがおすすめです。