皮膚や血管等、人体を構成する重要な成分である「コラーゲン」の形成・補強などに深く関わる成分である「ケイ素」の重要性は、美容や健康に気を使う人達の間で年々注目を集めるようになっています。
その中でも、私達が普段の生活の中で気軽にケイ素を摂取できる形をとっているのが「水溶性ケイ素」です。
ここでは水溶性ケイ素について、その作り方や使用方法例などを紹介していきます。
1.水溶性ケイ素とは?
ケイ素(Si)は地球上で酸素の次に多く存在する原子ではありますが、酸素と非常に結びつきやすいという特性を持っており、地球上に存在する殆どのケイ素は「珪酸塩鉱物」として存在しています。
その多くは水に溶けるという特質(水溶性)を持っておらず、人体への吸収率が良くないという特質があるのが美容・健康対策としてケイ素を用いる際のネックとなっていたのです。
人体を構成している物質の60%~70%は水分(H2O)であるため、水分との馴染みの良い成分でないと体へ吸収されず、摂取をしても体外へ排出されてしまいます。
私たちに身近な例として「ゴマ」で考えてみましょう。
ビタミンEを多く含むゴマは美容や健康に良いとして珍重されていますが、その外殻は非常に硬いもの。
そのため「炒り胡麻」と言ったゴマの外殻が付着した状態のままで食べていると、その多くが胃腸などから吸収されることなく体外へ排出されてしまうのです。
ビタミンEなどの栄養分を効率的に吸収するには、細かく摺ったり、外殻を壊すようによく噛む等、吸収率を高める工夫が必要になります。
これと同様に、人体に吸収しやすい形へと構成を整えたものが「水溶性ケイ素」なのです。
2.水溶性ケイ素はどうやってできるの?
水溶性ケイ素を抽出する方法はいくつかあります。
・二酸化ケイ素(Si02)が高純度で含まれるシリカ(石英・水晶)を800℃~2000℃近い高温で焼き、水溶性ケイ素(珪酸ナトリウム・Na2SiO3)を抽出する
・二酸化ケイ素粉末(Si02)を水酸化ナトリウム溶液(NaOH・過酸化水素水)で加熱し化合する
・二酸化ケイ素粉末(Si02)を炭酸ナトリウム(Na2CO3)と共に加熱し化合する
水溶性ケイ素の価格帯にバラつきが見られるのは、この原料となる二酸化ケイ素が含まれるシリカ等の純度の問題、また抽出方法の精度の問題と言えるでしょう。
純度の高いシリカは無色透明で二酸化ケイ素を豊富に含んでいますが、安価なものになるほど不純物を多く含み、ケイ素自体の含有量は少なくなってしまうのです。
なお最近では製造工程で不純物を取り除き、純度の高い水溶性ケイ素濃縮製造に成功している製品も見られています。
3.水溶性ケイ素は摂取のしやすさがポイント
人体の健康・美容におけるケイ素の重要性は年々高まる評価が見られており、定期的なケイ素の摂取が推奨されることも増えてきています。
しかし普段私達が食べている食品のみで必要とされるケイ素を補いきることが難しいのが現状です。
例えばケイ素が比較的豊富な海藻類でも、理想とされる摂取量(8mg~9mg)を満たすには1日200g近い海藻を食べなくてはいけなくなります。
この問題を解決すべく注目されたのが、水溶性ケイ素を用いたサプリメントや液状製品(ケイ素水、ケイ素濃縮溶液など)です。
・サプリメント類:食前・食間等に手軽にケイ素を補給できるのが魅力。携帯等にも向いている。欧米では水溶性ケイ素を用いたサプリが一般的に普及している。
・ケイ素水:水溶性ケイ素を溶かした水。水分補給と同時にケイ素を補給することができる。その他のミネラルも一緒に補給できる製品もある。
・水溶性ケイ素濃縮溶液:水やお茶、コーヒー類などに溶かして飲むなど、無理なく摂取機会を増やせるのが魅力。製品によって濃度が異なる。
毎日の生活の中で手軽にケイ素を摂取できる点が、これらの製品の大きな魅力となっています。
4.水溶性ケイ素の用途はさらに幅広く
ケイ素とコラーゲンの結びつきが重視されるようになるにつれ
、水溶性ケイ素が用いられる機会はさらに広がっています。
<<スキンケア>>
・化粧水等の基礎化粧品に水溶性ケイ素を混ぜて使用する
・化粧水代わりに水溶性ケイ素を溶かした水をスプレーする
<<ヘアケア>>
・水溶性ケイ素を溶かした水を地肌等にスプレーしてマッサージ・シャンプー類に水溶性ケイ素を混ぜて使用
<<デンタル・口内ケア>>
・歯磨き粉を付ける前の歯ブラシに水溶性ケイ素(濃縮溶液等)を少量含ませ、歯磨きに使用する
「水に溶けやすい」という特質を持つ水溶性ケイ素だからこそ、私達が普段行っているグルーミングケアに取り入れやすいわけですね。
体の内側からだけでなく外側からもケイ素を補える使用範囲の広さが水溶性ケイ素の魅力となっています。
【おわりに】
水溶性ケイ素であれば、上記のように様々なスタイルで日常的にケイ素を体に取り入れることができます。
自分に合ったスタイルの摂取方法を選べば、無理なくケイ素の摂取を続けることもカンタンというわけですね。